ウイルス対策に使用される「次亜塩素酸水」は使用期限が短く、劣化が速いことで知られています。しばらく放置していた次亜塩素酸水を使おうとして、「まだちゃんと効果があるのかな？」と気になった経験がある方も多いのではないでしょうか？

 

この記事では、次亜塩素酸水の劣化状態を確認する方法を紹介します。次亜塩素酸水を持っているものの現在使用していない方や、今後使っていこうと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

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次亜塩素酸水が劣化するとどうなる？

次亜塩素酸水は、劣化すると「失活」します。次亜塩素酸水における失活とは、塩素濃度が低くなって除菌効果がなくなること。そもそも次亜塩素酸水とは「次亜塩素酸」を主成分とした酸性の溶液で、「次亜塩素酸」の酸化作用によりウイルスや細菌を失活化させるため、家庭では除菌・殺菌目的で使用されます。

 

次亜塩素酸水は常に分解が進んでおり、主成分の「次亜塩素酸」が減っていくため、時間とともに劣化しやがて失活してしまいます。

次亜塩素酸水の劣化状態の確認方法

ここからは、次亜塩素酸水の劣化状態・失活していないかどうかを確認する方法を紹介していきます。

次亜塩素酸試験紙

次亜塩素酸水に付けると変化した色によって簡易的に塩素濃度が測定できる試験紙です。細かい濃度を数字で出すことはできないものの、色が数段階あるのでおおよその塩素濃度を知ることができます。次亜塩素酸水に付けるだけで良いので、使い方が簡単なのが便利なポイント。製品によりますが、50枚・3,000円前後で購入できます。

ヨウ化カリウムデンプン試験紙

一定濃度の酸化剤が含まれていると白色から青色に変化する、簡易的な試験紙です。濃度はわからず、2ppmなどの低濃度でも反応するため、殺菌成分が少なくとも残っていることだけがわかる方法となっています。拭き掃除には有効塩素濃度80ppm以上（2液混合型の場合）での使用が推奨されているので、濃度がわからないこの方法はあまりおすすめできません。

残留塩素計

次亜塩素酸水の残留塩素の濃度をデジタルで測れる残留塩素計も便利です。20〜300ppmや0〜500ppmなどの広い範囲で簡単に濃度を測ることができます。価格は高額で、1〜4万円ほどのものがほとんどです。

pH計

次亜塩素酸水のpHは2.7〜6.0前後の弱酸性が通常の範囲です。劣化が進むと酸性度が高くなり、pHの数字が小さくなるので、最初のpHと比べて数字が変化していると劣化が進んでいることがわかります。ただしpH計では塩素濃度はわかりません。

次亜塩素酸水が劣化する主な要因

次亜塩素酸水は、以下のようなものの影響を受けて劣化・失活していきます。

紫外線

紫外線は次亜塩素酸水の天敵で、遮光性のないボトルに入れて直射日光に当てておくと、家庭での使用には高濃度の次亜塩素酸水でも数時間で失活してしまいます。紫外線の当たらない場所で遮光ボトルに入れて保管するのがおすすめです。

温度

温度が高いほど劣化のスピードは速くなり、特に真夏は放置しているとすぐに失活してしまう場合があります。長時間持たせたい場合は冷蔵庫に入れるのがおすすめ。ただし、冷えた状態では殺菌活性を発揮しにくいと言われているため、使用時は常温に戻すか、冷暗所で保管するのがおすすめです。

時間

紫外線や温度の影響を受けない環境でも、時間の経過によって劣化は進みます。きちんと保管していたとしても有効期限は必ず守りましょう。作り置きや買いだめはせず、その都度準備するのがおすすめです。

有機物との接触

有機物に触れて反応した次亜塩素酸水は水になるという性質があります。次亜塩素酸水を入れる容器に残留物がないことを確かめましょう。

次亜塩素酸水の劣化状態の確認方法を試そう

次亜塩素酸水の劣化状態の確認方法を紹介しました。十分な塩素濃度があるかきちんと確認したい場合は「残留塩素計」を使用し、失活していないことを確認したい場合は手軽な「次亜塩素酸試験紙」や「pH計」などを使うと良いでしょう。また速く劣化させてしまわないために、この記事を参考にしながら保管方法も工夫してみてください。